電力自由化って本当にお得なの?

電力自由化って本当にお得なの?

鳴り物入りでスタートしたかに見えた電力自由化ですが、
その後の一般家庭での切り替え率は低迷しているようです。

しかし、実際には確かに電気代の節約になっている家庭もあることから、
引越しをして手続きをすることになるのなら、
わざわざ高いところに契約する必要はありませんよね。

下調べをせずに何も気にせず契約してしまうと、
後悔するかもしれません。

今までと何が変わるの?

これまでは、北は北海道電力から、
南は沖縄電力まで日本を10の地域に分けて、
それぞれの地域の電力会社が独占状態で経営してきました。

その地域に住むことになると、
電気代が高かろうが安かろうがお構いなしに、
必然的にそれらの電力会社の提供する電気を使ってきました。

その地域限定で一社独占状態の市場が長く続いたにもかかわらず、
私たちは何の疑問も持たずに、湯水のごとく電気を使い続けてきました。

しかし、それまでの考えを一変させる事件が起こりました。
東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故です。

その地域では、発電の供給が需要に追いつかず、計画停電を経験しました。

原発事故収束のため、国や県の莫大な予算が計上されてはいるものの、
その影響は一般消費者である私たちにも、
電気料金の値上げという形で跳ね返ってきました。

それがきっかけとなり、今後はその体制を見直し、
電力の小売業者が次々と参入し、
一般家庭が電力会社を選んで自由に契約をして、
その電気を買うことができるようになりました。

2016年4月からは、複数の電力会社の登場による、
電気料金の値下げ競争も激化しています。

少しでも電気料金を安くするためにはどうしたらいい?

電気料金が安くなったとはいっても、どの程度の節約になり、
今までの電気料金と比べてどのくらいお得になるかがわからない、
という人が多いのではないでしょうか。

過去一年間の電力消費量と電気料金はいくらでしょうか。
まずは、そこを知らないことには、正確な比較ができません。

ちょっと手元に明細書を用意して試算してみてはいかがでしょうか。

プランを比較してみよう

どんな電力会社があり、そこは基本料金がいくらになっているのか、
という情報を一つ一つ探していくのは大変なことです。

大々的な広告宣伝費をしない電気料金が安い電力会社は、
簡単には見つけることができないと思います。

そんな時に、手間なく各社の電気料金を比較できるサイトがあります。

新電力比較サイト「電気料金の一括シュミレーション」

こちらのサイトを利用すると、
地域と、契約アンペア、使用量などを入力するだけで、
節約額が大きい順に選ぶことのできる電力会社とプランが多数表示されます。

解約違約金なしなど、意事項も表記されますので大変便利です。

参考サイト: 新電力比較サイト「電気料金の一括シュミレーション」

気をつけて見てほしいのは、
マイナスになる会社だけではないということ。

ずっと画面を送っていくと、
下位に表示される電力会社はプラスになっているものもあります。

その後に料金の改定があるかどうかは、
各会社のホームページなどで必ず確認してから申し込むようにしてください。

電力会社を変えずプランを変更する方法も

電力自由化に伴い、もともとあった主要電力会社も、
今までのようにはいきません。

多数参入する電力小売業者と対抗するために、
今までの電気料金の引き下げや、
お得になる新料金プランを打ち出しています。

時間帯によって電気料金が切り替わるプランでは、
自分の家庭ではどちらをより使うことになるのか、
実態を把握しておけば、切り替える際にもお得なプランを選ぶことができます。

引越し前と後ではどんな生活になり、
日中と夜間の家族それぞれの電気の使い方を想定しておきましょう。

引越しの手続きもスムーズにでき、
引越してすぐお得なプランが適用されますよ。

いくらなんでも無条件に安くならないのでは?

電力会社の乗り換えが低迷する背景には、
うまい話には裏がある、と乗り換えに慎重な人もいるからではないでしょうか。

どんな注意点やデメリットがあるか、
知っておいた方が良いと思われることを紹介します。

使い方次第で高くなる?

電力自由化により、
電力小売業者が多数参入すればするほど価格競争が激化し、
すごく安くなるのでは?
元からあった主要電力会社が著しく不利になるのでは?
と思うこともあるかもしれません。

しかし、自分の電気の使い方を把握し、
適正な料金プランを選べれば確かに安くなりますが、
それが間違ったプランを選んでしまった場合は、
逆に高くなることもあるので注意が必要です。

一人暮らしの場合

一人暮らしの学生や社会人の場合、
部屋には寝に帰るだけという人も中にはいるでしょう。

電化製品も少なく一人用の小型なものならば、
待機電力も微々たるもの。

逆に大家族で、日中は誰かしら在宅し、
夜遅くまで起きている人数が多い家庭なら、
各部屋の冷暖房費なども含め、
個人が消費する電力量はかなりだと予想されますよね。

この場合、電力会社にとってみれば、
一人暮らしの世帯はあまりもうけの出ないお客さんとなってしまいます。

そういう世帯に対しては、
少しばかり不利な料金設定となるかもしれません。
先ほどの試算シミュレーションで確認してみてください。

契約アンペアが少なく、使用量を少なく試算してみると、
マイナスになる会社がほんの少ししか見当たらず、
大半が逆に値上がりしてしまうことがわかります。

それでも、携帯電話やLPガスとのセットプランで、
お得だと思えれば乗り換えても良いと思います。

オール電化の家庭の場合

家を新築してオール電化にしたり、
引越し先の賃貸物件がオール電化だったというような場合は、
特に電気料金が気になります。

電力自由化で、少しでも電気料金が安くなるなら万々歳ですよね。

ただし、今までの主要電力会社では、
オール電化用の特別な料金プランがあり、
一般家庭が利用するプランと比べると、
地域により若干の差はあっても5%~10%程度の安い料金設定になっていました。

それに加えて、時間帯によってさらに安くなるプランを併用したり、
使用量に応じた特典が付加されたりして、
以前からかなりお得に利用できていました。

それが、他の電力会社ではどの程度の割引率になっているか、
乗り換えても逆に高くなってしまう可能性があると警鐘を鳴らす人もいます。

普段から高い電気料金を払っている家庭は、
うまく乗り換えられればかなりの節約が期待できるものの、
間違ったプランを選んでしまっては、
その分高くついてしまうという諸刃の剣となりうることも理解しておきましょう。

セットプランは本当に必要か考えてから

小売電気業に参入する事業者はどんなところが多いのかというと、
新規で立ち上げた事業者は少なく、
もともとが資本力のある全国規模の会社が多いです。

ガソリンスタンドを経営する石油会社や、
ケーブルテレビや携帯電話の通信事業者、
ガス会社、一般小売業など、よく知られた会社が参入しています。

そのため、もともと取り扱っている商品とのセット販売や、
セットプランでお得感を出しつつ、新たな顧客の獲得を目指しています。

しかしそのセットの内容は、
果たして本当に自分に今必要なものでしょうか。

引越して、今後どうしても必要になると思えないのであれば、
よく検討してみてからの方が良いと思います。

契約期間の設定があれば解約違約金もかかる

たとえば、上記のようなセットプランに新規で契約した場合、
契約期間があらかじめ決められているようなプランでは、
中途で解約する場合は解約違約金がかかってしまうことがあります。

携帯電話の縛りと言われるようなものですね。

満期までちゃんと利用し続けるつもりがあるなら問題ありませんが、
その間にもし転勤の辞令があれば、
エリア限定の会社だとやむなく解約せざるを得ない状況になってしまいます。

それまでに、十分な割引サービスや低価格など、
恩恵が受けられていればいいのですが、
そうでない場合は、トータルで見ると、
かえってマイナスになってしまうケースもあるということを覚えておきましょう。

電力自由化は、導入される前まではあちこちで話題となりましたが、
いざ施行されるとニュース等で取り上げられることも激減しました。

まるっきりその内容を知らない人もいると思いますが、
知ってはいても様子見で現状維持の人も多い印象です。

引越しでマンションから一軒家に住み替える人は、
その電気料金の高さに驚く人もいるでしょう。

その後に試算してみてから比較して切り替えるのもありかもしれません。

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