引越し先で町内会に入る必要はある?

引越し先で町内会に入る必要はある?

地域によっては、町内会に入らないとゴミ出しもできないようで、
町内会にどうしても入りたくない人のために「ゴミ会員」として、
少額の会費を払うことで町内会の入会を免除し、
ゴミ出しを認めているところもあるようです。

入会して清掃作業やイベントなどの協力はできても、
仕事を持っていると役員が回ってきた時は引き受けられないので、
申し訳ないから入会を見合わせている人もいます。

引越した先で町内会に勧誘されたらどうしたらいいのでしょうか。

町内会の加入はあくまでも任意

町内会は公的なものではなく地域独自の組織で、
加入の強制力はなく個人の任意です。

集合住宅の家族連れの世帯が多かったり、
一戸建ての家族世帯が集まる地域では加入率も多く、
単身者向きのアパートやマンションが多く、
夫婦だけの世帯でも共働きが多いような地区だと加入率は低い傾向があります。

ゴミ置き場は町内会が管理する場所だった

引越しをすると早いうちに班長や役員が訪問してきて、
町内会の概要を説明し、入会を勧めてきます。

冒頭で述べたように「ゴミ出し」の件で強く言われてしまうと、
非加入者は立場が弱くなります。

ゴミの回収は、市区町村の指定業者の収集車が回ってくるので、
誰でも無料でゴミを回収してもらう権利はあるのですが、
置き場所の管理や清掃当番を会員が持ち回りで担当しているので、
そこが問題になるわけです。

冒頭の例のように、
厳しいところでは非会員がゴミ置き場にゴミを置くことを認めず、
清掃業者の収集車が来た時に、
手で直接渡さなければならないところもあるようです。

回収時間に合わせてゴミを持っていくのは面倒ですよね。

会社に「今日は燃えるゴミの日なので少し遅れます」なんて連絡も悲しいです。
不名誉なネーミングがちょっと気になりますが、
これでは「ゴミ会員」になるしかありませんね。

子どものいる家族は何かと世話になることが多い

しかし、悪いことばかりではありません。
引越してきて地域になじむ一番手っ取り早い方法が、
町内会に入り町内会主催の各種イベントや清掃活動などに、
積極的に参加することです。

その土地で長く住むことが決まっているなら、
特に子どものいる世帯では加入しておいた方が何かと便利です。

地域の防災訓練や災害時の炊き出し訓練、
災害時の被害報告を連携して本部へ伝える方法など、
昨今では各地で起こる自然災害の規模が大きくなってきていることから、
その地域で起こりうる災害を想定して色々な対策を取っています。

しかし、非会員のままでは町内会の回覧板も回って来ず、
ニュースにはならない身近で起きた小さな犯罪情報もわからないので、
何か起きた際もどう動いていいのかわからないままです。

親と子どもの顔をセットで覚えていてもらうことも、
何かと安心感があります。

子どもの帰宅が遅いから心配していたら、
「自転車の鍵をなくして困っているのでスペアキーを持って行ってあげて」とか、
「公園でケガをしたので応急処置をして送ってきました」と連れて来てくれたり、
顔見知りの町内会の人たちが助けてくれたということもあるようです。

このようなことを聞くと、地域の人たちが見守ってくれているようで、
とても心強く感じられますね。

賃貸物件を選ぶ際に町内会の実態の把握が必須?

町内会は地域の格差がかなりあるようで、
加入率も様々です。

しかし、最近では地震や台風による自然災害も多く、
被災地域では互助の精神が見直され、
いざとなった時のために横のつながりを大切にしておきたいということから、
再び加入率は増加傾向にあるようです。

地域により異なりますが、
防災の備蓄品も災害が起きた際には、
町内会の加入会員を優先して配布してくれる地区もあります。

必要か不要かのアンケートの回答は

朝日新聞のデジタル版のアンケートに、
「自治会・町内会は必要だと思いますか、不要だと思いますか?」という質問があり、
やや不要と考える人の方が多いという結果が出ています。

※参照URL : 朝日新聞「自治会・町内会は必要?不要?

しかし、これはあくまでもインターネットでその記事を見て回答することのできる人、
という前提で見る必要がありそうです。

自治会に加入し、パソコンを使えないお年寄りたちはたくさんいるはずです。
そのような人たちはどのように思っているのでしょうか。

その土地に長く住んでいる高齢者の世帯で、
自治会に加入していない人たちはどのくらいいるのでしょうか。

風通しが良く活気のある加入率の高い自治会の加入者と、
頼み込まれて断り切れず止むに止まれず加入した会員とでは、
当然感想は違ってくるでしょう。

その辺の事情は、その土地で長く経営を続けている地域密着の不動産会社なら、
町内会主催の催し物がある際、寄付金を出したりしていますので、
地域の事情は把握しているはずです。

自分の地区を悪く言う人はいませんが、
念のため何箇所か不動産会社を回り、
それとなくそれぞれの意見を聞いてみると良いでしょう。

町内会費の相場はどのくらい?

町内会や自治会という組織は、
公共団体や会社とも違い完全な自治の組織団体であるため、
法的なルールは一切ありません。

しかし、通常は大きな組織になればなるほど、
町内会長と他の役員を何名か立て、
会則を作り会員たちの承認を得て行事を企画実行し、
町人から集金した町内会費の収支と活動内容や、
今後の予定などを年1回の総会で報告するところがほとんどでしょう。

そのようにきちんとした形で運営しているなら、
適正な金額の町内会費になっているはずです。

金額や世帯数により、3ヶ月ごと半年ごと1年ごと集金するところが多いです。

全国の町内会費の平均額や相場は、残念ながら知ることができませんが、
インターネットなどで見かける金額では、
1ヶ月あたり200円、つまり年間で2,400円とするところが多いように感じました。
月額にすると数百円から千円程度ということになりそうです。

田舎の方が高いという人もいれば、
セレブな人が住む高級住宅地の方が高いという説もあります。

そして極め付けは、新築中の家の地域の自治会費があとになって、
毎月3万円ということがわかり驚愕したという話も耳にしました。

会員にはどんな恩恵があるのか、
どうやって還元されるのか聞いてみたいですね。

危機感を持つ町内会、とうとう会費も0円に

少子高齢化が進み、高齢世帯では特に横のつながりが必要だと言っても、
何も活動することができず奉仕作業もできないので申し訳ないからと、
脱会を希望する高齢者たちが増えているようです。

町内会費を少しでも節約するためにという人も含まれ、
若い頃には会の中心人物として活躍していた人たちでもあるし、
そういう人たちにこそ、地域の犯罪や、
高齢者が狙われる詐欺や防災についての情報を知っておいてほしいため、
負担がないよう町内会費を0円とするところもあるようです。

そこまでして存続させる必要があるのなら、
いっそ義務化して市区町村が関与すべきだとの声も上がっているようです。

こんなにも地域の格差がある、実態の見えない組織であるなら、
なおさら引越し前にある程度は情報収集をしておいた方が良さそうな気がしますね。

まとめ

町内会は老若男女、
幅広い世代の様々な立場の人たちが集まる会です。

地域の町内会主催のイベントに参加してみると、
何となくは雰囲気がつかめそうです。

本部役員のテントを注目してみると、
特に人柄や力関係がわかるので面白いです。

祭りの盛んな地域は特につながりが深いようで、
祭りが近づくと町全体が独特なムードで高まっていきます。

そういう雰囲気が好きな人なら、
その土地になじむのも早いでしょう。

逆に、そういった一体感を苦手とする人は、
そういう町への引越しは避けた方が良いかもしれません。

そのような人は、事前に町内会の会費や活動内容について、
ある程度の情報を得てから引越すことをおすすめします。