引越すついでに防災グッズに不足がないかチェックしよう

引越すついでに防災グッズに不足がないかチェックしよう

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」なんていうことわざがありますが、
今の日本は、熱さを忘れる前に次の地震が来るような、
地震の活動期に入っています。

日本に住んでいる限り、自分の家は大丈夫なんて決して言えませんよね。
2016年に起きた熊本地震をはじめ、
過去に起きた震災から引越しを機に考えたい防災用具の教訓を学びましょう。

まず当日

阪神淡路大震災でもっとも揺れが激しい地域に住んでいた人は、
熟睡していた早朝にいきなり突き上げられ、
何が起きたのかまったくわからず、
「自分はガス爆発事故を起こしてしまった」と思ったそうです。

実は、同じことを思ったという人は複数いて、
激しい直下型地震に見舞われると、
人間の判断力がいかに脆く失われるかということがよくわかります。

発生当日は、とにかく自分の身の安全を守ることが第一です。

そばに置いておきたいもの

まず、家にいる場合どこにいても「これだけは」という、
最低限必要なものは準備しておきましょう。

この場合、最低限必要なものとは、
大切な思い出の品や保険証書、
銀行通帳などではありません。

あなたの命を守るためのものです。

懐中電灯

夜間に地震が起きた場合、懐中電灯があるとないとでは、
生死を分けるかもしれません。

せっかく備えがあっても、真っ暗でものが散乱しているような中では、
探し当てることができないことも考えられます。

どこにいても一つは手に取ることができるように。、
複数の懐中電灯を家に配置しておきましょう。

また、長いこと使っていないと、
肝心な時に電池が切れて使い物にならないということもあるので、
電池のチェックもお忘れなく。

履物

普段から気をつけて、
割れ物が散乱しないようなインテリアになっていればいいのですが、
それでも巨大地震が来たらどこにどうガラスの破片が散乱するかわかりません。

当然寝ている間は裸足なわけですから、
とりあえず履くものがないと、
一刻を争う避難の際に逃げ遅れることになりかねません。

また、履物はスリッパのような脱げやすいものではなく、
最低でも体育館履きのようなきちんとかかとのあるものを、
防災グッズ袋に家族の人数分入れておきましょう。

避難所に行けば、おそらく当日のペットボトルの水はもらえるとは思います。

何らかの理由で避難所まで行きつけなかった場合、
小さなお子さんがいる場合、
決まった時間に薬を服用しなければいけない場合など、
絶対に水が必要になる場面はいくらでも想像できますよね。

非常食

これも避難所まで行きつければもらえるとは思います。
病人やお子さんなどを除いて、
多少は食事を抜いても命には関わらないとは思います。

、パニックしているお子さんを落ち着かせるために、
とりあえず与えておける好きなお菓子を用意していて、
本当に助かったという人もいました。

スマホ・携帯

家族や友人、知人の安否確認や連絡手段は、
必ず持っておきましょう。

当日はもちろん、その後も物資の不足や慣れない避難所暮らしなど、
多くの困難が予想されます。

そんな時にメールで遠くに離れている友達に助けを求めたり、
あるいは今こんな状況になっているということを書くだけで、
本当に心が救われて難局を乗り切ることができたという人はたくさんいます。

誰かとつながっている、誰かが自分を心配してくれているということは、
いざという時にとても心強いものなのです。

電源が自由に使えるようになるまでは、
時間がかかることが予想されるので、
手動式か電池式の予備バッテリーも忘れずに準備しましょう。

防寒具・毛布

家が余震による倒壊の恐れがある場合、
速やかに家から退避しなければいけません。

また、避難所が近所の学校の体育館などになっていると思いますが、
この体育館も決して地震に絶対に安全とは言えないので、
下手をすると屋内に入れず、一晩外で過ごさなければいけないこともあります。

毛布も自治体が備蓄していますが、
必ずしも全員に行き渡るとは限りません。

東日本大震災では、多くの方が寒さに体力を奪われ、
肺炎を発症したり、衰弱したりして亡くなったということです。

災害用の薄い保温シートがなければ家にある毛布でいいので、
持って出るようにしましょう。

翌日以降に必要なもの

震災にあった人に話を聞くと、
当日は恐怖と呆然とに同時に襲われている中、
家族の無事を確認して喜んだり、
行方不明になっている家族や知人の心配をしたりと、
ずっとアドレナリンが出っぱなしのような気がしたと言います。

今でも当日のことはよく覚えていないそうです。

そんなパニックの一日が終わり、
翌日、冷静になって生活の立て直しに入ると、
様々な物資が足りないと困ることが多かったそうです。

自宅に住み続ける場合

幸い自宅の損壊状態が酷くなく、
住める状態だとわかったら家に帰る人が多いようです。

特に小さいお子さんや弱っているお年寄りは、
家から離れるととたんに体調を崩すケースが多かったということで、
自宅が安全に住める状態なら家にいたいですよね。

でも、その場合も必要なものはいくつもあります。

水を入れるもの

なんと言っても一番必要なものがこれです。
場所によっては一週間以上も断水する場合もありますし、
水道が復旧しても濁っていて飲めないかもしれません。

ペットボトルの飲料水は必ず備蓄しておきましょう。

ただ、最初の3日間をなんとかしのげば、
多くの場所では給水車がやってきます。

問題は給水車からもらった水を家に持って帰る手段です。
そこまで考えて水用のポリタンクを準備している人はそう多くないですよね?

そんな時に使おうとした人がいたのが、
大きなポリバケツのゴミ箱にゴミ袋を二重にしてかぶせたものです。
これならたくさん水が入りますが、いっぱいの水を入れてしまうと、
重くてとても持てなかったという、笑えない笑い話のようなこともありました。

いざという時のために水を持ち運ぶ容器は考えておきましょう。

また、マンション住まいの場合、
エレベーターの復旧が遅れる可能性も十分あります。

20リットル、20キロの水をかついで、
階段で家まで上がったという人もたくさんいたので、
自分が持てる大きさはどのくらいかはよく考えてください。

食料

食料の配給はあるとは思いますが、数が足りなくなったり、
そもそも配給場所まで取りに行くのが困難な場合もあります。

レトルトのカレーがこんなにも役に立つとは、
という話をした人もいました。

長期保存できるレトルトや缶詰は最低でも3日分は用意してください。

離乳前の赤ちゃんやアレルギーがある人は、
もっと長期間を視野に入れておくべきです。

避難所暮らしをする場合

プライバシーの問題や衛生上の問題など、
多くのハードルがある避難所生活。

みんなで一緒にいられる安心感がある反面、
思わぬことが起こります。

女性は生理用品を

東日本大震災の時にはなくて困ったという話を聞きました。

救援物資や備蓄の中にあったのかもしれませんが、
直接命に関わるものではないので、
どうしても後回しにされて、必要な時に行き渡らないことがあったようです。

自分の身は自分で守るという意味でも、準備しておきましょう。

マウスウォッシュ

おそらく避難所では十分な歯磨きができる環境ではありません。

こうなると怖いのが口内細菌による肺炎です。
体力の落ちたお年寄りには命取りになりかねません。

アルコール除菌スプレーなどは準備をしている人もいると思いますが、
マウスウォッシュもぜひ防災用品に加えてください。

地震は来る時には来ます。
止めることは人間にはできません。

でも、来た時に自分の身を守るための準備をすることはできますよ。
引越しを機に、必要な防災グッズをもう一度チェックしてみましょう。

※参考:東京都防災ホームページ「都民の備蓄推進プロジェクト」